大阪府池田市
スマイルファーム細河 サービス管理責任者

【スマイルファーム細河】赤井 浩さんインタビュー

【スマイルファーム細河】赤井 浩さんインタビュー

人との繋がりを感じながら、働くことを楽しめるように心がけています

Q : 簡単に自己紹介をお願いします

赤井 浩です。スマイルファーム細河(就労継続支援B型作業所)でサービス管理責任者としてスタッフたちと一緒に、働くことに障害のある方たちのサポートをさせていただいています。
大学時代のアルバイトをきっかけに障害のある方との関わりがはじまりました。
私はアフリカの太鼓を演奏しているのですが、ある音楽学者さんとやりとりをさせていただくようになりました。その方は、大阪の大学院の教授でもあり、社会における音楽の役割について模索する活動もされています。私の人生に大きな影響を与えてくれました。
素晴らしい方々とのご縁もあり、より深く障害のある方との仕事やボランティア活動に関わることになりました。東京で生まれ育ちましたが、大阪に移住をするきっかけにもなりました。
過去には仕事の難しさや思い描く理想と現実のギャップなどから一度離れたこともありますがやはり、「面白い!」「充実できる仕事がしたい!」という思いから、この仕事に戻り現在に至ります。

【スマイルファーム細河】赤井 浩さんインタビュー

Q : 赤井さんがトイボックスに参加することになったきっかけを教えて下さい

東京から大阪市内に在住し西成の障害者の方の就労相談をしていました。
子供が重度のアレルギーを持って生まれたことで自然環境や学校給食について考えるようになりました。池田市の給食はアレルギー対応をされ米飯給食中心になる、と知ったことや、市内ではない郊外で地元に密着してみたいと思うようになり、池田に移住しました。
子供をきっかけにフリースクールに関心も持ち、スマイルファクトリーの存在も知っていました。
細河でのスマイルファーム細河の事業を知って、自分の経験を活かしながら地域にも密着できるかなと思っていたときに自分の家庭環境や仕事の時期のタイミングが合いトイボックスに参加することになりました。

【スマイルファーム細河】赤井 浩さんインタビュー

Q : スマイルファーム細河の事業について教えてください

障害のある方が、年齢や体力などの面で現地点では雇用契約を結んで働くことが困難な方に対して就労の機会や生産活動等の機会の提供、また、その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練・支援を行う事業所及びサービスになります。
雇用契約は結ばない形の、比較的自由に働ける"非雇用型"です。
メンバーさんそれぞれの目的があってスマイルファーム細河に通所されています。
それぞれの目的の例)
引きこもりの方の社会との接点
外に出て社会活動をしたい方
退職して準備してから再就職をしたい方自然が豊かな池田市細河地区での就労継続支援B型作業所です。
主に農作業や園芸活動、美化活動を行っています。


それぞれの目的を持ちながら、農作業では好きな野菜を自分のペースで育ててみて収穫を楽しんで地域の皆さんと試食したり、花壇用の苗を育てることで地域を支える一員として社会との繋がりを感じてもらったり。出来ることから一緒に頑張っています。

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Q : スマイルファーム細河はどんな場所にありますか

池田市からバスで中川原が最寄りのバス停になります。
中川原から歩いて10分程度です。
バス停からファームまでの道のりは景色が気持ちいいです!
このエリアは自然が豊かで植木産業の地域として有名です。
市街化調整区域なので昔からの、のどかな景観が残っています。

【スマイルファーム細河】赤井 浩さんインタビュー

Q : スマイルファーム細河で赤井さんの役割を教えて下さい

サービス管理責任者としてメンバーをまとめています。
メンバーさんのそれぞれ目的にあわせて、頑張ること頑張らないことを見極めてサポートさせていただいています。
メンバーさんが作業してくれている収入の確保(一般的なB型作業の工賃ではなく作業して得る収入)を目指したいという想いや、これからのスマイルファーム細河のことを考えながらみんなをまとめています。

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Q : スマイルファーム細河の農作業について教えて下さい

私は農業との関わりはこの事業がはじめてです。
地域の方に教えてもらいながら、日々勉強しています。
メンバーさんもみんな農業初心者です。
農作業はメンバーさんにとって、すごくいい作業だと思います。
B型事業の9割5分は室内作業です。障害のある方にはルーティン作業があっているという一般的な考え方や、農業や外での作業はイレギュラーの行動が増えることもあり、室内作業の事業所が多いのだと思います。
スマイルファーム細河ではメンバーのみなさんがうまく対応してくれています。全員が同じ作業はしません。それぞれの得意分野を伸ばしていただいたりすることでみなさんの成長につながっていると感じています。

Q : 野菜づくりの楽しさと苦労しているところを教えて下さい

一番は美味しい野菜を食べられることです。採れたての野菜を食べる喜びは格別です。
池田市の給食センターさんと繋がり、収穫した野菜を購入してくださって学校給食として地元の子どもたちに食べてもらっています。
スマイルファーム細河のメンバーも学校の試食会に参加しました。自分たちが収穫した野菜がどうなっているかを見て食べて地域との繋がりを感じられると思います。

苦労はみんなが初心者で常に勉強していることです。失敗もあります。
でも試行錯誤するのは面白いですね。

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Q : 美化活動について教えて下さい

伏尾台にある公共施設の季節ごとの美化活動を担当させてもらっています。
・落ち葉の掃除
・夏は除草など
・冬畑の除草
またスマイルファクトリーの清掃も行っています。

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Q : 地域の方との関わりについて教えて下さい

地域の方との関わりは増えてきています。
先日も「ほそごう学園」(※池田市の公立学校)の生徒さんが60人ほど来てくれて、みんなで玉ねぎを植えました。スマイルファーム細河のメンバーさんと一緒に楽しく農業を体験してくれたと思います。
スマイルファクトリーの生徒たちの芋掘りは恒例行事になってきました。
秋には地域の方との焼き芋パーティなども企画しています。季節のイベントを地域の皆さんと開催できるようになればいいなと思います。

Q : メンバーさんとの関わりかた 意識していることなどはありますか

トラブルが発生しても落ち着いて、その方の真意を考えることを意識しています。
仮に、問題行動や言動があった場合メンバースタッフも感情的になることもあります。そんなときこそ落ち着いてその人の言動の真意を考えるようにしています。
個人のいいところ、できることを日々の関わりからしっかり見つけるようにしたいです。
メンバーさんとの関係性は学校などの先生より近く、一緒に働く仲間です!

Q : 赤井さんのお仕事の日の1日の過ごし方を教えて下さい

メンバーさんが通所される日はだいたいこのような1日です。

午前9時 出勤
 送迎〜朝礼など

午前中は畑に行くことが多いです

午後 外の活動(掃除など)
 送迎のあとにふりかえり(ミーティング)
 事務作業
 サービス管理責任者としての事務作業
 個別支援計画に基づいてスタッフと共有
18時 退勤
 (残業や家での仕事をすることもあります)

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Q : 仕事中の密かな楽しみはありますか

メンバーの方で今までできなかったことができる兆しが見えると嬉しくなります。
今まで一緒に作業していた事が一人でできるかも、と思ったときにあえて一人で作業してもらうようにするなど、見ていないふりをして見守っています。

Q : トイボックスの他事業部との関わり方について教えて下さい

事業が多方面に渡るのでこれから他の事業も知って関わっていきたいです。
野菜の販売などで飲食部門、カフェとのつながりも増やしていきたいと思います。

【スマイルファーム細河】赤井 浩さんインタビュー

Q : 赤井さんの今後の目標を教えて下さい

障害のある人が就労をする場面ではオールマイティーが求められることが多いです。
あれもこれもできることが評価の対象ではなくて、なにかひとつずば抜けたことがあって、それが収入になるような働き方ができる仕組みを作りたいと思っています。
例えば、スマイルファーム細河では「水路づくりのプロフェッショナル」のメンバーさんもいます。その方は水の流れ、水路を作って流してくれ畑の水を管理してくれています。水の量を瞬時の判断で調整してくれます。

一般的な障害者雇用は問題点に目がいきがちで、これができないといけないなど指標が多いです。そうではなく、それぞれの特技がお金を生みだす世の中になったらいいなと思っています。
みんなが働くことを楽しめたらいいですね!

【スマイルファーム細河】赤井 浩さんインタビュー