フリースクールの持つ居場所機能とは何を指すのか
構成要素を明確にする
この度、2022年度の競輪の補助を受けて、3年間の事業を完了いたしました。
今後、子ども達一人ひとりが自分の個性にあった教育の場をみつけられるような社会に向けて、「多様な学びの環境がある地域」を実現するため、地域内連携を深め教育プラットフォームの構築をめざします。
記
2017年に教育機会確保法が施行されましたが、こども達に多様な教育機会を届けるためには、この法律に基づいた活動をより一層発信していく必要性を感じています。また、多様な教育機会の実現には、地域一体で仕組みを作っていく必要性も感じています。
本事業では、多様な教育機会をこども達に届ける仕組みの実現をめざし、教育機会確保法に基づいた活動のリサーチや実践考察、仮説検証のための連携会議を実施しています。
本事業は3ヵ年を計画しており、1年目である2020年度は、教育機会確保法について、成立までの経過と現状を調べました。また、スマイルファクトリーのこれまでの活動についてもふりかえりました。それらを基に地域でのフリースクールの役割や独自性についてディスカッションを行い、A、B2つの仮説を考えました。
構成要素を明確にする
多様な学びの場に必要な予算が配分される仕組みを整理する
2年目である2021年度は、仮説を検証していくために、5つの取り組みをこれまでの活動に加えました。
5つの取り組みは、こども達一緒に過ごす環境やプログラム、地域の方々と一緒に形にしていくことなど、日々の活動の適した場面で実践しました。こども達や地域の方々と過ごす中で、たくさんの大切なことが見つかりました。また、3年目となる2022年度に向けても、進んでいく方向性を見つけることができました。
日々の活動のなかで、こども達の多様性が発揮される場の構成要素を整理する。
プログラムにアクティブラーニングの要素を盛り込み、自他理解や相互理解を深めるための構成要素を整理する。
地域の方々と連携し、プログラムを通して地域で学び合う機会を増やす。
池田市との連携をより強め、引き続き地域で多様な学びを提供する仕組みを協議する。
官民連携のモデルについてイメージしてもらいやすくなるように、情報発信を行う。
事業の最終年にあたる2022年度は1年目、2年目の取り組みをふまえた上で、公的機関と民間団体が連携し、子ども達が自らが学ぶ場所を選択できるようにするための居場所づくりについて再考しました。
20年間におよぶ自治体とフリースクールの連携実績をもとに、実践研究と関係機関との討議を重ねた結果をご報告します。
スマイルファクトリーがある旧伏尾台小学校は、池田市の伏尾台地区にあります。
池田市教育センターが所管課となり、各小中学校との連携を担っています。NPO法人トイボックスのまちづくりセクションが伏尾台地域の活性化のお手伝いをしていたこともあり、地域の方々には当初から暖かく迎えていただきました。公教育、地域内連携を深めています。
スマイルファクトリーがある旧伏尾台小学校は、池田市の伏尾台地区にあります。
池田市教育センターが所管課となり、各小中学校との連携を担っています。NPO法人トイボックスのまちづくりセクションが伏尾台地域の活性化のお手伝いをしていたこともあり、地域の方々には当初から暖かく迎えていただきました。公教育、地域内連携を深めています。
「やりたいことを形にできる場所をつくる」「自分で決めて、みんなでつくる」ためにこどもたちの声を聞き目的に合わせやすい部屋をつくり活動しています。プログラムの一部はテーマと材料(使うもの)はあらかじめ設定し、内容はこども達と一緒に決めていくという形を導入しました。こども達同士の相互作用によって、豊かな時間となりました。
活動の様子を見る池田市立山の家で活動をスタートさせたスマイルファクトリーは、現在、旧池田市立伏尾台小学校に場所を移して活動しています。伏尾台地域の方々がスマイルファクトリーの活動をあたたかく見守ってくださっているおかげで、こども達ものびのびと過ごすことができています。「地域の方々との交流がもっと増えたら、こども達の過ごす時間がより豊かになるのではないか。」と思い、イベントや季節の行事だけでなく、日々の活動にスタッフとして参加していただくことにしました。
地域との交流を見る教育機会確保法についての成立背景や経過、動向について調査を行いました。また、スマイルファクトリーのこれまでの活動とウィズコロナの中での実践についてふりかえりました。その結果、教育機会確保法により多様な学びを実現するための動きが活性化されたことと、地域での官民連携が教育機会の多様性を広げていく上で重要であることが示唆されました。
教育機会確保法を見る スマイルファクトリーの取り組みを見る多様な教育機会を地域で実現していくには、どのような仕組みが必要か。そのテーマを追求していくために、昨年度に引き続き、全3 回の連携会議を実施しました。池田市教育センターとスマイルファクトリー、長年教育現場に携わってこられた方々にも加わっていただき、意見交換をしました。時代に伴うフリースクールの役割の変化や地域機関の連携などについて活発なディスカッションが行われ、今後の仕組みづくりに向けての方向性が見つかりました。また、この事業で確認、検討された視点を地域に伝えていくために、連携会議のメンバーが中心となって事業実施効果を報告書としてまとめました。
連携会議を見る 事業実施効果を見る